WORKLIFE BALANCE

ワークライフバランス

06

管理職として2度の育児休業を取得

育休取得の引き継ぎをきっかけに、
業務全体を見直しキャリアアップに繋げる。

ITソリューション
管理職
2003年新卒入社

  • #自社製品開発・自社サービス担当
  • #働くママ・働くパパ

Profile

2003年新卒入社。第一子(長男、現在3歳)の出生時に管理職として初の育児休業を取得し、第二子(長女、現在1歳)の際も、約3カ月の育児休業を取得。2児の子育てをしながらグループマネジャーとして活躍中。

しっかり準備すれば男性でも育休をとれて、仕事も家庭もうまくいく。

Q.育児休業取得の経緯を教えてください。

1人目、2人目が誕生した際、それぞれ育児休業を取得しています。もともと育児に興味があり、男性も育児に参加すべきという持論もあったため、育児休業に強い抵抗はありませんでした。しかし、初めての子どもであること、実家が遠方で親の助けを借りにくいこと、当時は残業が多く仕事と育児の両立ができるのかなど不安は多くありましたが、当時の部長に相談したところ、背中を強く押していただき取得に至りました。
2人目の育休は、兄妹の年の差もなく、1人目の育児もピークを迎えていたことから、父母二人体制でなければ育児がしきれないと判断し取得を決断しました。

1人目のときは2週間、2人目のときは3カ月の育休取得を。

Q.育休中はどんな生活でしたか?

1人目のときは初めての育児休業でしたから、自分が休むことの業務影響が読みきれない不安がありました。ですが、今思えば短すぎましたね。妻も子どもも出産後1週間は入院していますし、退院後から生後1カ月の新生児期が本当に大変な時期になるわけですから…。
2人目のときは、その反省もあって首がすわるくらいまでは、と思い3カ月にしました。当時長男は2歳で目が離せない時期でしたので、3カ月休ませていただきました。それでも振り返ると短かったなと思います。今なら少なくても半年は取得を検討したいですね。

家族や上司への事前相談が重要。

Q.(育児休業について)ご家族の方とはどのようなお話をされましたか?

妻とは、期間や育児の分担などを相談しました。1人目のときはとにかく新生児期が不安だから「せめてその期間くらいは育休をとりたいね」と話していました。2人目のときは、上の子の面倒と分担をどうするかということが話の中心でした。食事、風呂、寝かしつけ、通常の家事など、新生児を抱えた妻が二人の面倒をみる“ワンオペ育児”は無理だと。散歩したり遊んであげたり、長男ともしっかりと向き合いたいと考えました。

Q.上司の方とはどのようなタイミングでお話をされましたか?

上司への報告・相談については1人目のときは出産予定日の3カ月前くらいに、雑談のなかで「子どもが生まれるんです」と話したら、「おめでとう! じゃあ育休を取るか?」と軽い感じで育休取得を勧められたので、「取ってみようかなあ…大丈夫ですかね?」と聞くと「いいよ、いいよ!」と、そういう感じでした。強く背中を押していただいたのを記憶しています。
2人目のときは3カ月の期間を考えていましたので相談も早くした方が良いと思い、妻が安定期に入った後、予定日の半年ほど前に相談しました。
初めての育休取得の際は、人事部も親身に相談に乗ってくれて、さまざまな制度を丁寧に説明してくれましたので安心感がありました。

Q.2人目のときは、早めに相談されていたのですね。

上司への相談は早めにしておいたほうが良いですね。授かったことがわかってもすぐに相談できるものではありませんが、しっかりと準備を整えて安心して育休をとり、家庭に専念するためにも、立場に関係なくできるだけ早く相談することをお勧めします。
当時は私が相談する立場でしたが、グループマネジャー(課長職級、以下GM)としてチームメンバーから相談を受ける立場になると、早ければ早いほど業務の調整はしやすいので、話せると思ったタイミングで、取得時期と期間を教えてもらえると助かります。子どもができる前でもライフプランとして、上司との面談時に「子どもができたら1年間、育休をもらいたい」などと希望を伝えておくのも良いのではないでしょうか。
周りの同僚や上司の理解が欠かせないことは、みなさんおわかりでしょうが、本当にそうなんですよね。業務の引き継ぎなど、事前の準備次第で周囲の負担は減らせます。

育休取得は、早めに、十分な引き継ぎを。

Q.「ごめんね」と気遣いながら休むより「ありがとう」と感謝して、育児に向き合いたいですよね。

はい。そのために引き継ぎは非常に大切です。そして引き継ぎのための準備は大変で時間がかかります。育休取得を上司や周りに伝えるより前に、個人的に業務の棚卸しや引き継ぎの方針をまとめるなど、相談しやすいように準備しておくと良いですね。
引き継ぎ中も「これはお願いできる? 難しい? じゃあこうしようか」と相手の状況も聞きながら、お願いしていきました。メンバーにも部長にも引き継ぎましたし、別のチームのGMにお願いしたものもありましたね。引き継ぐ相手を決めるときには、当時の事業部長にもアドバイスをいただき、上司・GM・メンバーとバランスよく割り振っていただけたのでやりやすかったです。周りは調整できますが、上司にはやはり気を遣いますから。

Q.入念に準備されていたのですね。引き継ぎに際して、特に注意されたことはありますか?

これは体験して感じたことですが、育休取得時の引き継ぎというものは、一人に引き継いで足りるものでもありませんし、またそうすべきではないと思います。みんなで分担すれば当然、一人ひとりの負担は減りますし、それをきっかけにコミュニケーションが活発になります。「いや、こんなこともやっていたんですか、大変ですね。」とか「こっちも大変ですが、大丈夫。安心してください」とか。
2人目の育休の引き継ぎでは「このイベントをチームみんなで乗り越えよう」というような雰囲気になっていました。不思議な一体感ですね。

大変だったけれど、育休を取得してよかった。

Q.育児休業中の過ごし方について教えてください。

1人目のときは勝手がわからず、ひたすら育児という感じですね。夜は交互に面倒を見るようにしていましたが、頻繁に目を覚まして泣きますから、やはり大変でした。でも、短い期間でしたが、二人で世話をしたおかげか「パパ嫌期」もなく成長してくれています。
2人目のときは経験していたので、やるべきことは明確になっていて、不安もそれほど感じずにできました。妻と私で完全分担制を試してみました。私は1人目の育児と夫婦の食事、妻は2人目の育児です。気分転換のため、たまに交替していました。ほぼほぼ、うまく回ったと思いますが、この分担制のおかげで長男は完全にパパっ子になり、育休明けが大変になったのは想定外でした。でも、元気でよく笑い、そして笑わすことが大好きな、にぎやかな兄妹に育ってくれて、本当に良かったと思います。

Q.育休からの復帰はいかがでしたか。スムーズにいきましたか?

初回は短期でしたので特に問題なく、2回目も違和感なく職場に復帰できましたが、復帰したときの業務と育児の分担は事前にある程度、家族、上司と相談しておくと良いですね。育児もいきなりすべて任せるわけにはいきませんし、仕事もいきなり全開は難しいので、復帰後1〜2カ月は軽めにしておかないと大変です。
 生後3カ月、半年とそれ以降の育児も待ってはくれませんし、育児ができるのはこの期間だけです。仕事があることを言い訳にして手を抜くと将来後悔しそうです。業務で目指すところ、キャリアパスへの思いには変わりはありませんが、それも結局は家族のためだということを再確認しました。育休を経験したことで、GMとして業務の負担を分散することについて、より意識するようになりました。

これから育休を取得したい方へ、そしてその上司の方へ。

Q.育児休業を取得して感じたことやアドバイスを聞かせてください。

男性も育休は取得したほうが良いし、家庭の平和につながります。ただし、ただ取得するというのではなく、生まれる前に何をどこまでやるのかを決めておくこと。もちろん生まれてからは想定外のイベントばかりです。どんどん変わってきますが、あらかじめ考えておくことで柔軟に対応できることもあるでしょう。私は、授乳など母親にしかできないこと以外はすべて引き受けるというくらいの気持ちで臨みました。

母になった妻は、最初の1カ月は心身ともに不安定なので絶対に逆らわない、これ大事です(笑)。たまには、完全フリーな日をつくってあげられると良いですね。期間は短くて新生児期の1カ月、可能なら6カ月は取得できると良いです。6カ月くらいになると、お風呂で補助椅子に座れるようになりますから、お風呂に入れるという我が家の最難関ミッションをパパママどちらか一人でも対応することが可能になり、飛躍的に楽になりました。
引き継ぎのための業務の棚卸しは、ただ単に業務をピックアップして整理するだけでなく、無駄がないか?もっと効率的な方法がないか?と検討できると良いですね。実際にそうやってみると、自分でも驚くほど無駄やまわりくどいやり方をしているものがありました。育休取得をきっかけに業務全体をスリム化することができたわけです。
復帰後は休業前と同じ業務ではなく、新しい仕事にチャレンジすることになりました。結果的に、私とメンバー双方のキャリアアップにも繋げることができましたね。