WORKLIFE BALANCE

ワークライフバランス

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管理職も育休を取得できるように後押し

チーム一丸となって育休を支援し、
管理職でも育休が取得できる環境をつくる。

Web・オープン・モバイル系開発
管理職
1990年新卒入社

  • #働くママ・働くパパ

Profile

1990年新卒入社。2018年、当社で初めて育児休業を取得したグループマネジャー(課長職級)の上司として、その育児休業を後押しした。自身も19歳(長男)、13歳(次男)、7歳(長女)の3児の父として、子育てに参加。現在も部長としてマネジメントをしている。

「育休は管理職も取れる」雑談からの気軽な後押し。

Q.管理職を任せていた当時の男性部下より相談を受けた際、どんな言葉をかけましたか?

相談というほどかしこまったものではなく、雑談の中で「子どもができたんです」と聞いたので、「おお! 良かったな、おめでとう!」と祝福しました。「それで、どうするの?」と。会社の育児休業制度は管理職が使ってはいけないというルールはありませんから、育休の取得を考えているか聞いたところ、「グループマネジャー(課長職級、以下GM)という立場では厳しいですよね…」と言うので、「なに言ってるんだ。取ったらいいじゃないか!」と、あまり深く考えず勢いで返しました(笑)

Q.どうして育休の取得を勧められたのですか?ご自身が3児の父とのことですが、やはり子育ての大変さを実感されているからでしょうか。

わが家は、長男と一番下の子は歳が離れていますので、3人目は長男がよく面倒をみてくれて助かりました。ですが、やはり1人目と2人目は大変でした…いや、妻は本当に大変だったと思います。私自身、育休を取らなかったことに少し後悔もありましたし。なによりも本人から取りたそうな雰囲気を感じたので、少し背中を押したという感じですね。
当社ではそれまで、男性のGMで育休を取得した人は聞いたことがなかったので、もし取得すれば当社初となり、「男性」「管理職」という“壁”を突破できます。前例をつくることで育児休業制度が当社およびグループ全体にも浸透するのではないか、という思いもありました。めぐりあわせで最初の一人になれる機会があるのなら、踏み出した方がいいですよね。歴史をつくれます。

Q.3児の父としての経験から、育児について何かアドバイスはされましたか?

出産後の母親は24時間体制で赤ちゃんの世話をすることになり、体力的にも精神的にもギリギリの状況にあります。状況によっては子どもより奥さんのフォローをしっかりするように伝えました。私自身、妻から頼まれたことは全部「はい、わかりました」とやっていましたが、それでも妻に言わせれば、「言われて動くようではまだまだ」と。それはもう本当におっしゃるとおりでございます(笑)

GM不在中の業務をチームや営業部などが一丸となって支援。

Q.GMが不在となることについて、部長として不安は感じませんでしたか?

当時はGMにとって1人目のお子さんで、育休期間が2週間と短かったため、「まあ、なんとかなるだろう」と楽観的にとらえてはいましたが、短期といえども右腕が不在となるのは所属長としては非常に厳しい状況となります。プロジェクトリーダーでも抜けられるとその影響は小さくありません。それがいくつものプロジェクトを束ねているGMならなおさらです。ですが、当時の常務や事業部長にもご理解いただいて、ネガティブな言葉一つなく、準備の状況や不在中の対応などを気にかけてくれたことは、非常に心強く後押しになりました。
期間の長短にかかわらず、仕事と家庭とどちらを優先するかとなれば、出産後の一定期間は育児だろうと思います。家庭のことを気にしながらでは、会社で100%のパフォーマンスを発揮できません。それなら、いっそのこと一旦職場から離れて仕事と育児の両立できる体制を整えて復帰してもらったほうが本人にとってもチームにとっても良いと考えました。育児は育休期間後もずっと続くわけですから、初めの段階から育児についての大変な思いも嬉しいことも、ご家族一緒に経験しておくことが大事なのではないでしょうか。

Q.業務の引き継ぎはどのように進められたのですか?

出産というものは思い通りにはいきませんね。予定日から早まったり遅れたりします。早め早めに準備していくことが重要です。
当時は、育休の取得が決まった時点ですぐに統括するプロジェクトリーダーや営業担当者にその旨を伝えて、GM不在中の支援を要請しました。リーダー、営業とも日頃から自律的な活動をしてくれていましたので、安心して任せられましたし、承認やさまざまなタスク決定などのGM権限は、部長であった私が受け取ることにしました。
万が一、休業中の彼にしか対応できない問題や解決できない課題が発生したときには、相談する可能性があることを、あらかじめ話してありました。一方で、チームメンバーや営業担当者には、GMに宛てたメールはしないように伝えていました。自分宛てのメールが届くかもしれないと思うと、四六時中気になってしまいますから。どうしても必要な場合は、私(部長)経由で連絡をするよう、ルールを定めました。

明るく積極的に声をかけ合い、感謝を伝えることが重要。

Q.実際に、GMの育休が始まって、業務に支障は生じませんでしたか?

とくにトラブルもなく、各リーダーや営業は通常どおり淡々と仕事をこなしていて、頼もしかったですね。彼の育休を機に、チームメンバーがしっかりと育っていたことが実感できて嬉しかったです。
育休の取得は「周りに迷惑や負担をかける」と本人が感じることなく、周りも普通に受け入れ、無理なく業務をシェアできるようになるのが理想です。本人に必要以上に気を使わせたくありませんから、部長などの上司がサポートメンバーや営業担当をフォローして、言葉に出して労うことは大事だと思います。サポートメンバーには「大丈夫?ありがとうね」と声かけし、営業部にも業績会議の席上で感謝を伝えました。
短い期間でしたが、チームメンバーも営業部の皆さんもGMが育休を取得しても大丈夫なんだと経験してもらえたことは、今後のためにも良かったなと思います。

Q.育休取得を検討している方へのメッセージをお願いします。

社員一人がしばらくの間いなくても、仕事はメンバーのサポートで回していくことができますが、生まれてくる赤ちゃんにとってお父さんはたった一人しかいません。それに、子どもの成長する様子を24時間存分に味わう、そんな経験は人生で何度もできるわけではありませんので、「たぶんダメだろう」と諦めずに勇気を持って上司に相談してください。そしてエネルギー200%にして、また復帰いただければいいと思います。