PROJECT BOOKS

プロジェクト図鑑

Project 1

高精度画像検査ソフトウェア
“WiseImaging”

シーイーシーが有するディープラーニングの専門知識がトヨタ自動車の製造工程自動化に大きく貢献。
製造業の進化を支える人工知能テクノロジー最前線。

熟練技術を要する業務の自動化

【トヨタ自動車様からの依頼内容 〜長年の課題解決を目指した高難度の依頼〜】

2017年にトヨタ自動車 鍛造部様(鍛造や熱処理技術を核に、さまざまな自動車用鍛造品を製造)から、フロントハブという自動車の足回りに用いられる鍛造品の検査工程において検査自動化の相談がありました。
フロントハブの検査には、さまざまな検査項目があり、これまでは人の目で判断するため、熟練した社員が合計4名携わっていました。この検査では、蛍光磁粉やブラックライトという専門的な道具を用いて、キズなどの製品に悪影響をおよぼす欠陥を人の目で判断しているため長年の熟練技術を要しており、この検査を人の手を介さず自動化することで、熟練者でなくても検査品質を保つというのがプロジェクトのミッションでした。

【難題に取り組んだプロジェクトチーム 〜WiseImagingの導入〜】

検査の自動化を実現するために用いられたのは、当社製品であるWiseImaging(ワイズイメージング)でした。AI(人工知能)の技術であるディープラーニング(深層学習)を活用した画像検査システムで、外観検査の課題を解決し、AIの判定で良品を不良品として判断してしまう「過検出」や不良の見逃しを減少させ、高精度な検査が実現できました。導入にあたっては、高精度の検査を実現するため、検査工程の担当者とともに試行錯誤しながら、多数の画像を用意するなど、当社社員だけでなくお客様の協力もいただきながらプロジェクトを進めました。

【さらなる精度向上に向けて 〜お客様と二人三脚の活動〜】

検査精度をさらに向上させるため、AIに学習させるデータ量を増やすことはもちろん、学習データの整理やAIアルゴリズムの改良など、さまざまな手法をトライ。トヨタ自動車 鍛造部様の方とのミーティングを何度も重ね、AIに学習させるデータを提供いただき、お客様と二人三脚で取り組みを続けた結果、2018年10月から検査工程において本稼働をスタートさせることができました。稼働後も何かあればすぐに対応できる体制で、お客様に安心してWiseImagingを使っていただけるようなサポートも行っています。

【本稼働後の現在の状況 〜判定の難しい不良品も検知〜】

実績としては、見逃し率は0%、過検出率は8%と報告をいただけました。そして、フロントハブの検査工程に関わる検査員は、検査を自動化したことにより2名の省人化を実現。製造工程の自動化に貢献しています。WiseImagingは面倒なプログラミングを設定する必要がなく、検査員が検査システムを起動させる簡単な操作のみで、まったく違和感なく業務にフィットしていると、お客様から評価いただきました。

(お客様の声)
ディープラーニングの解析に対して専門的な知識があり、解析という作業に汗をかいていただいたという印象があります。本当に感謝しています。また、SEの方々、担当営業の方、ともに正直でウソがありません。できるところ、できないところを正直に話してくれるのは、我々としてもありがたいと思っています。
シーイーシーはWiseImagingだけでなく、周辺の開発も行っているところに信頼が置けます。実際、AIの技術があっても、稼働させる設備との連携ができなければ意味がありません。その点、シーイーシーはマルチベンダー対応で設備に強く、つなぎ込みまで一気通貫でやっていただきました。本当に頼りになると感じています。

【 製造業におけるAI活用とシーイーシー 〜生産性の向上に欠かせないAI〜】

製造業のお客様にとって製造工程の自動化は重要な課題です。また、自動化に欠かせないAIは、その技術発展のスピードが非常に早く専門性が必要となります。シーイーシーは、当社のシステムを導入していただいたお客様と共に進化し続け、生産性の向上に貢献していきたいと考えています。